救命診療科
基本情報
診療内容と特色
救命に必要な迅速な治療開始を実現できるシステム
救命処置が必要な患者様を助けるためには迅速な救命治療の開始が重要です。
当センターでは、初療室の隣に、手術室2室、血管造影室、CT室を完備し、いかなる病態に対しても迅速に処置・手術が開始できる救急初療システム(初療・手術室システム)をもっています。
救急診療に必要な共通認識を持った救命医が24時間体制で診療に当たり、緊急性の高い処置や手術も搬入とほぼ同時にできる体制が整備されています。
当センターでは年間約2000例超の重症救急患者を受け入れています。内、550例が外傷患者です。 内因性疾患患者の中では脳血管障害患者が多く、その他ありとあらゆる傷病・病態の患者さんを受け入れています。 また、内因、外因合わせて院外心肺停止患者が150例に上ります。年間600件以上の全麻手術、160件程度の血管造影・塞栓術・血管内手術を行っています。
外傷診療
全国的に見ても外傷患者の搬送例が多く、当センターの外傷診療の質の高さは定評があります。重症外傷患者の救命は、受傷後1時間がすべてであるといっても過言ではありません。特に全身のいたるところに損傷のある多発外傷患者さんにおいて、常に複数の専門領域に亘る診療を同時に展開できる当センターの利点が最も効果を発揮します。
特に、重症多発外傷の診療においては救命の視点に立った、「重症外傷センター」を設置しています。また、外傷患者の救命率を向上させるためには、病院前救護活動において適格な搬送先病院の選定が重要で、泉州地域ではメディカルコントロール体制の中で救急救命士に対して、外傷患者の搬送先として三次救命救急センター選定のための基準を提示しています。また24年度より外傷患者に対するキーワード方式による消防覚知ドクターカー同時出動を行っており、現場での迅速・的確な外傷診療の開始が可能となりました。
さらに、若手医師に対する外傷初期診療に関する標準的な教育ツールとして使われている、外傷初期診療ガイドライン(JATEC)の作成および普及においても、当センターは中心的な役割を果たしており、日本の外傷診療の進歩の一翼を担ってきたと言っても過言ではありません。
また平成22年より、外傷外科医および外傷外科手術チーム養成のためのoff-the-job trainingコース(SSTTコース)を開発し、運営しています。
内因性疾患
内因性疾患としては、脳血管障害(脳卒中)が最も多く、特に動脈瘤破裂によるくも膜下出血の治療において優秀な成績を収めています。 くも膜下出血の治療には、動脈瘤の再破裂を予防するためのクリッピング術や血管内手術と脳圧コントロールや血管攣縮を予防するための全身管理の協調が重要です。 ここにおいても、脳神経外科的な専門技術と呼吸循環管理や脳保護治療などの集中治療を同時に提供できる当センターの機能が有益であると言えます。 特に当センターでは、くも膜下出血後の合併症として重篤な脳血管攣縮を予防するために、当センター独自の輸液管理方法を導入していますが、導入後5年以上を経過しますが、症候性血管攣縮合併を一例も経験していません。
その他、あらゆる疾患の急性期病態に対して診療提供していますが、他院入院中に重篤化した患者の転院も受け入れ集中治療を提供しており、泉州地域の集中治療室の役目も担っております。
平成24年4月から、りんくう総合医療センターの各専門診療科と協働して、脳卒中、循環器救急、急性腹症疾患患者に対しては救急搬送受け入れ窓口の一元化を行っており、 脳卒中では、「高度脳損傷・脳卒中センター」を、 急性腹症と外傷外科症例では、「急性期外科(Acute Care Surgery)センター」の立ち上げを行い、その結果この領域の受け入れ患者数の増加と確実な専門診療体制の充実を目指しています。
平成25年4月、りんくう総合医療センターと泉州救命救急センターの統合により、ますます重症専門病態に対する診療体制の強化を図っています。
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