耳鼻咽喉科・頭頸部外科
基本情報
- 外来診察予定表は「Gブロック(耳鼻咽喉科・頭頸部外科)」ページをご覧ください。
診療内容と特色
- 岸和田から和歌山の間には、高度な手術治療や癌治療ができる耳鼻科をもつ病院は当院以外になく、当科がこの地域の耳鼻咽喉科医療の中核になると考えています。 当科は「日本耳鼻咽喉科学会専門医研修施設」「日本アレルギー学会認定教育施設」に認定されています。
- 硲田は、「がん薬物療法専門医」「がん薬物療法指導医」であり、その中でも頭頸部領域を専門とする数少ない1人です。頭頸部領域の癌では、嚥下や発声などの機能温存の面から、放射線化学療法が有用で、この治療に精通しています。
- しかし、リンパ節転移があったり、腫瘍が巨大であったりした場合などは放射線化学療法のみでは残存することが多くなります。このようなときに放射線、化学療法、手術療法をシームレスに組み合わせることができるのが当科の特徴といえるでしょう。
- 硲田は中耳の手術も専門としており、人工内耳症例は70件を超えています。 また、新生児聴覚スクリーニングは近年定着してきていますが、聴覚スクリーニングにて要精査となった児の経過観察、精密検査、聴覚補償についても全国的にも早くから取り組んでおり、早期から補聴器を装用させることの有用性、重度難聴児へ早期に人工内耳手術を行うことの有用性を報告しています。
- 幼小児に聴覚補償を行う際には、小児の聴力検査や発達検査に熟達した言語聴覚士が欠かせませんが、当科には経験豊富な間(はざま)言語聴覚士が在籍しています。このため、先天聾で人工内耳埋込術を行った小児の、(聾学校ではなく)普通学校への進学率は非常に高くなっています。
新生児聴覚スクリーニングとその後の治療
聾唖(ろうあ)という言葉がありますが、先天的に言葉が聞こえないと、話言葉を理解することができなくなり、話すことができなくなってしまいます。しかし、先天難聴であっても、生後半年くらいまでに適切な聴覚補償ができれば、正常聴力の人とほとんど変わらない言語習得、発話が可能になることが、近年明らかになってきています。言語の習得には適切な時期があって、その時期を過ぎてしまうと正常聴力の人と同等な言語発育は難しいわけです。ところが、新生児聴覚スクリーニング検査が登場する前は、子供がおよそ1歳になって発語が遅いことに気がつき、難聴が発見されておりましたので、 早くて1歳頃、場合によっては2~3歳頃になって初めて難聴であることが発見されることもありました。
我々は、全国的にも早期である2000年から新生児聴覚スクリーニングに取り組み、 難聴の疑いとされた児の精密検査、その後の治療、指導を行っています。新生児聴覚スクリーニングで要精査となった児の多く(約95%)は、再検査で問題なし、となります。 これは成長と共に検査が安定するためと考えられます。 ただし、複数回の検査を受けて、それでも要精査となっている児は約4割で何らかの難聴が確定されています。
片側の難聴であった場合は多くの場合経過観察のみになります。これは、片耳の聴力が正常であれば、言葉の発育に問題がないことがほとんどであるためです。もし、両側の難聴であった場合でも、新生児聴覚スクリーニングで発見された場合は、非常に早期から補聴器を装用させることが可能です。当科では、首が据わる3~4ヶ月頃から補聴器装用を始め、反応を見ながら補聴器を調整してゆきます。 3~4ヶ月頃からの補聴器装用の効果については、本邦では我々が最初に報告いたしましたが、高度までの難聴では、初語の出現が正常範囲となり、良好な成績が得られています。
重度難聴では、補聴器の効果はあまり芳しくないですが、その場合は、重度難聴であること、補聴器装用を行っても効果が不十分なことを確認し、なるべく早期に人工内耳手術を行っています。早期から補聴器を開始することで、補聴器の効果を確認するための充分な時間がとれ、約1歳半までという早期に人工内耳埋め込み手術を行うことができています。難聴の児は、音声情報が正常に届かないため、通常発音が鼻声になってしまいます。しかし、早期に人工内耳埋め込みを行った児では、言語発達が正常に追いついていくのみならず、鼻声化が生じておらず、きわめて良好な成績を示しています。我々が人工内耳手術を行った小児のほとんどは(聾学校ではなく)普通小学校に通学されています。
小児では、どの程度の難聴なのか、補聴器や人工内耳を装用させたときに、本当にきちんと聞こえているのか、また、言語の発達が遅れていないか、などを正確に判断するのは難しいです。一方で、早期に適切に補聴器や人工内耳の調節を行わないと言語発達の面で充分な効果が得られません。このため、先天難聴の児の治療には、小児の難聴や発達に熟練した言語聴覚士の存在が欠かせません。間言語聴覚士は、幼小児の難聴や補聴器、人口内耳に習熟しており、経験も豊富であり、このことが当科での人工内耳や補聴器の治療成績を良くしています。
耳科手術(鼓室形成術や人工内耳埋込術など)
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難聴の種類
- 難聴には大きく分けて、伝音難聴と感音難聴があります。感音難聴は主に内耳(音を聞き取っている場所)などの障害です。伝音難聴は内耳まで音が伝わる経路の障害です。
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鼓室形成術
- 真珠腫性中耳炎の場合や、鼓膜穿孔があり、よく耳漏がある場合、伝音難聴がある場合などに鼓室形成術の適応になります。
- 鼓室形成術は、顕微鏡下に中耳の病変を除去し、音のつながりや鼓膜を修復する手術です。 当科では大阪府下でも有数の手術数を行っております。
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人工内耳埋込術
- 人工内耳は、内耳性の難聴に用いる埋込型の機器です。 補聴器を用いても充分聞き取れない程度の両側難聴の方で、言語習得後に難聴になった場合や、先天性高度難聴の幼小児が適応になります。術後に人工内耳からの音の大きさと感覚をすりあわせる、マッピングが定期的に必要になります。
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内視鏡下副鼻腔手術(Endoscopic Sinus Surgery)
- 慢性副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)は副鼻腔に鼻水や膿が溜まり、炎症を起こしている状態です。本来これらは鼻腔内に自然排泄されるはずなのですが、何らかの理由で鼻腔と副鼻腔との交通が阻害されている場合に 副鼻腔炎になり易いとされています。 過去の副鼻腔根本手術は炎症を起こした副鼻腔の組織を除去してしまうことが目的でした。 このため口腔内や顔面皮膚を切開して表面の骨を大きく削り取り、副鼻腔内を清掃する作業が不可欠でした。
- しかし近年、鼻腔と副鼻腔を十分に交通させ歓喜を確保すれば炎症組織を完全に除去しなくても副鼻腔炎は軽快していくことが明らかになり、 この交通を阻害している構造上の要因を除去することが現在の副鼻腔炎手術の目的となっています。
- 従来の根治手術に比べると完治までに時間はかかりますが、ESSは出血や痛みも少なく術後に頬がしびれることもありません。 従来の根治手術にありがちな術後性嚢胞の発生も非常に少なく入院期間も短くて済みます。
- 当科では概ね5日前後の入院で手術が可能です。
頭頸部癌診療
頭頸部には、喉頭(声帯があり、発声機能を持つ)など、機能的に重要な臓器が多くあります。以前はある程度以上進行した癌では、手術を主体に治療されていました。近年では放射線化学療法が手術+術後放射線療法とほとんど変わらない治癒率を示すことが分かってきています。当科では臓器温存が望める放射線化学療法を主体に治療を行っております。
しかし、放射線化学療法後に腫瘍が残存する場合や再発の場合(このときは放射線療法を用いることができません)、甲状腺癌などの放射線や化学療法が効きにくい種類の癌腫の場合などは、手術療法が主体として治療を行っております。
仮に癌が進行し、他に治療法がない場合も積極的に治癒や症状緩和を目指して化学療法を行っております。
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