地方独立行政法人りんくう総合医療センター

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聴覚・言語支援センター

基本情報

特色と概要

本センターは補聴器適合や人工内耳はもちろん小児難聴のfollow、音声言語障がいなどを扱っています。また発達障がい児の訓練も行っており、吃音や機能性疾患も積極的に受け入れています。補聴器は患者手持ちの機器の調整も可能であり、人工内耳は国内で承認されている3社全ての機種に対応しています。いずれも個々の患者の診療が長時間に及ぶため完全予約制としています。

聴覚・言語支援センターは、人工内耳リハビリテーション、補聴器フィッティング、音声・言語訓練、コミュニケーション障がいに対する指導を行っています。

訓練・指導の対象となる病態は言語発達遅滞、限局性学習障がい、自閉スペクトラム症(以下ASD)、構音障がい、音声障がい、吃音、ならびに失声などの機能性疾患です。

月曜日と水曜日の午後は補聴器の調整を行っています。当センターの補聴器外来は、厚生労働省が定める補聴器適合検査が実施可能であり、かつ実際に言語聴覚士が補聴器の調整を行っている数少ない施設です。対象は医師が補聴器の適応ありと判断した患者や、既に購入済の補聴器が合わないと訴える患者です。

人工内耳リハビリテーションは火曜日午前と木曜日に、訓練およびスピーチプロセッサーの点検、聴覚補償の状態を聴覚検査で調べています。当センターで訓練を行っている幼児・学童は欧米の論文に示されているように9割以上が地域のこども園や小・中学校に通学しています。幸いなことに、普通学級に通っている児童のうち、今のところ言語発達が年齢級に追いついていない子はいません(2017年度 聴覚医学会学会誌 受諾 人工内耳装用児の聴覚補償と発達検査の結果)。
また補聴器装用児も同様の結果を示しています(2016年度 聴覚医学会発表)。

それ以外は、言語発達遅滞、限局性学習障がい、ASD、構音障がい、音声障がい(失声症、機能性痙攣性発声障がい)、吃音の言語訓練を行っています。

ASD児の訓練は子どもの能力を評価し、応用行動学に基づいたABA療法、行動療法をそれぞれの子どもの能力に応じて訓練計画を立て実践しています。結果、訓練前と1年間の訓練後の子どもの状態を評価したところ、ASDのレベルや合併する障がいにもよるが、症状の改善がなかった子どもはいませんでした。

吃音の言語療法については、吃音患者の話し方に焦点をあてる直接法と、患者が吃音を引き起こさないような環境調整を行う間接法を実施しています。当センターでは、それぞれの患者にどの方法が最適かを検討した後、患者に言語療法を提供しています。吃音から派生される劣等感、不安感に対しても、ナラティブ・セラピー(Narrative Based Medicine)を行い、患者の抱えてきた、あるいは抱えている問題を否定することなく聞き出し、ストレスに対する防衛機制(コーピングスキル)をつくる療法も行っています。当センターの強みは、機能性疾患に対し医師と言語聴覚士が連携をとり、言語療法を行いながら、医師が必要と診断したら投薬治療を行えることです。

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